2001年7月25日(晴)
前日、高度順応のためエギーユ・デュ・ミディの頂上観光に上り、シャモニーのホテルにてガイドの顔合せと、装備チェックを済ませた。 メンバーは 浜田・伊藤・竹田・加藤・児玉・石塚・茂木(コーディネーター)7名。朝8時ホテル出発、ガイド3名の車に分乗し、ロープウエイ・登山電車にて終点で登山口であるニー・デーグル駅に着いた。
10時10分登山開始今日はグーテの小屋で泊まる予定だ。天気はすこぶる良く、花畑の中のハイキング道をジグザクに登って行く、ガイドたちはなかなか休憩してくれないし、歩くスピードが速いので前後にかなりの差ができてしまった。ジグザグのガラ場で高度をかせぐと平らな雪原となり、しばらく進むと右手にテート・ルース小屋が現れた。小屋の前には多くの登山者がたむろしている、その中に混じって、昼食を兼ねて大休止をとる。ここから見上げると急な岩稜が続いていて、どこを登るのだろう? 取り付きのクーロワールの難場が黒い線となって見えている。
14時15分、3パーティーに別れアイゼンを装着しアンザイレンで出発。しばらくは雪の上を尾根に向かって進む、と例のクーロワールのトラバースである、落石に注意しながら素早く通りすぎる。ここからは岩稜になるのでアイゼンを外す。そこから上はいよいよ急となり固定ワイヤー・クサリ等が頼りになる。伊藤・石塚組は、4時40分グーテ小屋(3,817m)に到着、しばらく後児玉さんチョット疲れた浜田さん、茂木さんが登ってきた。岩場に張り付いたような小屋は外壁が金属で白く輝いているが、内装は木調で温もりがあり日本の山小屋と変わりない。ここで石塚缶ビールを飲んでひっくり返る、水をガブ飲みして回復する。水分不足か?
2001年7月26日(晴)
午前2時小屋の灯りが一斉に点けられ起床だ。ガイドの世話で朝食を摂るのも早々に準備を整え、伊藤・石塚組、浜田・茂木、児玉にそれぞれガイドが付き3パーティーにて 3時10分出発する。小屋を左手に回りこむように上ると、平らな雪原の尾根に出る。星明りのなか尾根伝いに、提灯行列よろしく先行パーティーのライトがチラチラ美しく動いている。アイゼンがキュッキュッと気持ちがいい、月明かりが無いのでヘッドランプの灯りを頼りに黙々と歩を進める
トップのガイドはジグザグに登ったり、直登したりして高度を稼ぐ、時々先行パーティーを追い越す。2時間余り登り続けたころ薄っすら明るくなってライトもいらなくなったので、小休止してヘッドランプを外し水も飲んだ。それから50分くらい登ったところの左手にヴァロ小屋が現れる。ここからは傾斜がかなりきつく広い尾根から狭い稜線となり緊張するも、相変わらずのピッチで速いがロープで繋げられているので仕方なく付いて行く、しばらく我慢して登っていたら尾根が広くなり、ガイドが「OK モンブラン」と声を上げた。3人で握手を交わし登頂を祝った。時に6時40分だ!
頂上(4,807m)には20人くらいの登山者がいて、中にはテントを張っている人もいた。眺めは素晴らしく360度のパノラマだ! 先々日行ったエギーユ・デュ・ミディ、これから挑戦するマッターホルンが手に取るように見える。写真を撮ったりして10分余りがアッと言う間に過ぎ、下りにかかる。
20分ほど下ったところで浜田パーティーとすれ違う、握手を交わし健闘を祈る、ジグザグに登ったところもほとんど真っ直ぐに降りる、雪も腐ってきてアイゼンも団子になってきた。9時00分グーテ小屋に着く 浜田パーティー到着後、我々は先に下山開始10時00分岩場を慎重に下りテート・ルース小屋に12時40分着ここで皆を待って小屋のメニューで昼食を摂り、氷河沿いの雪渓のある道を下りニー・デーグル駅を経てホテルに帰着した。 (石塚 記)